2017年12月12日
遺伝
朝の5時、洗濯物を干しながら考える。
洗濯後の湿ったひっくり返ったシャツの袖を元に戻しながら考える。
どうしてどの靴下も片方しかないのだろう
と考える。
週末に子供二人を買い物に連れて行き、帰ってきたら片方しか靴下をはいていなかったのがひとり、両方はいていなかったのがひとり。
「あんたは靴下をはかせても毎日どっかに脱いで帰って来たものよ」
という母の言葉を思い出す。
片方だけなくすとは限らない。
片方しかない靴下の陰では両方とも捨て置かれ、忘れ去られている靴下たちがいるのである。
そう考えると自分はいったいどれだけの靴下をなくしてきたのだろうかと考える。
そしてこうちの子たちはこれからいったいどれだけの靴下をなくしていくのだろうかと考える。
全部同じデザインの靴下にしよう。
そう思った。