2018年02月23日
KY
赤い棒と同じ長さなのはA~Cのどれでしょう?
そうです。Aですね。
この質問、回答者がひとりのときにすると、Aを選ぶ人が100%なのですが、
5人で答えてほかの4人全員が「Bが同じ長さだ」と答えると、実に3人に1人は「B」と答えてしまうそうです。
同調圧力について調べたこの実験。
結構怖いと思うのですね。
「ものの長さ」という明らかな正解がある問いに対してでも3割が自分の判断を信じられずに他人に引きずられる。
ましてや仕事上ともなると「声の大きさ」「役職」などに引きずられて、現場からみれば明らかに「正解!」な答えでも、簡単に曲がってしまうことってあると思うのです。
空気を読む、というスキル。
それは間違ったことを「正しい」と信じてしまうことではないはずです。
企業人としては時に「空気を読む」ことだって必要かもしれませんし、組織として決められたことはそれがたとえ「正解」でなくとも尽力をすることが大切だとも思いますが、その行為の正誤については見誤らないように
そしてその正しさを軋轢なく浸透させられるように、結果組織が少しでも「正解」に近い方角へ向かっていけるようにしたいものです。
2018年02月22日
ガラピコぷ~
NHKのおかあさんといっしょの中のコーナーに、ガラピコぷ~という番組がある。
一昨年の4月からポコポッテイトが終了して新しいキャラになると聞いて、ショックだったのを覚えている。
んで新キャラの上の画像を見て二度びっくり。
(かわいくねぇ………)
前のポコポッテイトの「ムテ吉」「ミーニャ」「メ~コブ」の三人組が
こ~んなにかわいかったのに………
赤と青の2匹はなんだか目がうつろだし、タイトルにもなってるロボットの「ガラピコ」に至ってはそもそも目の焦点すら合ってない。
(なんなのこの絶妙にかわいさのない造形は……)
と正直なところ思っていた。
ガラピコの設定を読んでまた驚いた。
他人の感情がさっぱり理解できず、自分の気持ちを制御するのが苦手。ズレた発言や行動をすることがある。多弁かつ早口。
(え?アスペ?)
と思って不安いっぱいで見てみたら、ハリケーンウサギのチョロミーは片づけが全くできずにやたらハイテンション。数字も数えられないADHDとかLDぽいし、オオカミのムームーはオオカミなのに気弱で後ろ向きな性格。面倒臭いほど心配性で神経質(wikiより)と、こ・れ・は、という仕上がりでした。
最近ではすっかりお茶の間になじんできた感のあるガラピコぷ~
製作者の
この番組のメッセージというのは(中略)「失敗しても、けんかをしても大丈夫だよ」ということ。「ガラピコぷ~」では、「元気いっぱいな男の子じゃなくても、おしとやかな女の子じゃなくても、大人から見たらちょっと問題があるような子であっても、大丈夫だよ」というようなメッセージを伝えてあげられるような番組に育てていけたらなと思っています。
【原案・脚本】山中隆次郎
というコメントを読んで、(あぁ、やっぱりそういう意図で作っているんだなぁ)と腑に落ちるとともに
(いいぞNHKもっとやれ!)
と思うのでした。
2018年02月21日
パンク
先日同僚の気を引こうとしてブレーキホースを切断しておいた男が逮捕される、という事件がありました。
男は職場で機械整備などを担当しており、
「クルマがトラブルを起こせば、機械に詳しい自分を頼ってもらえると考えた」
と供述しているとのこと。
およそ好意を知られる流れの中でも最悪な伝わり方をした今回の事件。
よりにもよってブレーキホース、しかも4輪全てとのことで
好意を持っていた、っていうよりむしろ憎んでいたのではないか?
とまで勘ぐってしまいます。
先日私の車もトラブルを起こしました。
パンクしました。
釘ががっつりと刺さってました。
ひょっとしたらうちの会社で整備をしているDさんが私に好意を持って釘を刺したのではないか?
という想像で震えています。
2018年02月20日
改善
とあるビルメンテの会社での話
旧式のエレベーターのため待ち時間が長すぎる、とのクレームがたびたびあり、このまま改善されなければ退去するという住民も出てくるということでエレベーター会社と話し合いを行いました。
しかしエレベーターを増設するのにも、新型のエレベーターに替えるのにもコストがかかりすぎてとても採算が取れない。
会議は3時間にも及んだそうですが、どうしようもなくなったその時、新人の社員がぽつりと言ったそうです。
「各階のエレベーターの前に大きな鏡を設置しましょう」
結果、待ち時間に鏡を見て身だしなみを整えたりすることで住民は待ち時間が苦にならなくなり、クレームがなくなった。という話。
時間を短縮するという視点だけでは見つけられない見事な解決策だと思うのですね。
このように、使う人の立場に立って、広い視点で改善点を探す
どんな場面でもこころがけたいものです。
2018年02月19日
ネーム
「それでも僕はやってない」という映画があります。
加瀬亮演じる主人公が痴漢冤罪を課せられるというそのストーリーに恐怖した男性も多いことかと思います。
もちろん痴漢は言うまでもなく卑劣な犯罪なわけですが、痴漢冤罪もまた、あってはならないことなわけで
そんな貴方のためにこのたび痴漢冤罪に巻き込まれないためのアプリが開発されました。
その名も
痴冤証明
痴冤証明って言いたいだけちゃうんかというこのアプリ、常に手首の動きを録画してクラウド管理。弁護士の証明書付きで冤罪を証明してくれるそうです。
このニュースを見て思い出したのが以前購入したPC用の覗き見防止フィルム。
その名も
「透けさん隠さん」
あーこういうセンスほしいわぁ
2018年02月15日
因果応報
心理学の定義に 公正世界仮説 というものがあります。
これは人が世界は公正なものだと信じる気持ちのことで、この気持ちが強い人ほど主観的幸福感(自分がどれだけ幸せだと思っているか)や、未来志向性(目標を決めたりそれに向けて努力できる度合い)が高いことがわかっています。
この世界は公正で、それが今後も続いていくと信じられる=「未来を信じられる」人ほど努力ができるし、今を安心して享受できる(幸福感が高くなる)、ということですね。
素晴らしいね。
公正な世界を信じられる方がいいね。
と思ってしまいますがいいことばかりではありません。
世界は公正なものだと信じる
「世界」という自分の周りの世界を「公正」であると信じる
この理不尽な世界を公正であると信じる。
それは言い換えれば自身の価値観による判断で「世界は公正であるべきだ」と思ったり、公正でない世界を認めないことでもあります。
現実には理不尽な事柄はたくさんあります。
理由もなくいじめられたり、通り魔に会ったり
公正世界仮説を強く信じている人は、(いじめられる方にも原因があるんじゃないの?)とか(隙があったから襲われたんじゃないの?)というように公正でない=理不尽な出来事を認めずに、それに理由をつける傾向があるのです。
その結果、
理不尽な事柄を肯定して自分自身が理不尽な存在になってしまう
障がいを持った人に対しても自業自得のような言い方をする人、残念なことに存在します。
本当に因果応報を信じたいのなら
本当に公正な世界を信じたいのなら
自分自身が理不尽な存在にならないようにまず心がけたいなと思います。
2018年02月14日
遠吠え
犬は吠えれどキャラバンは進む
小沢健二のファーストアルバムのタイトルなのですが、サウジアラビアの諺だということを先日知りました。
昨年北朝鮮の外相が外野が何を言おうと核開発を推し進める、ということを表現するために引用していましたね。
何かを決める時ってとかく声の大きい人の意見が通りがちになってしまいますが、声の大小に惑わされずに正しい方向に皆で向いて進むことが大切なわけです。
ただ声が大きい意見を否定するのって、ストレートにやると感情的になったり派閥争いの様相を呈したりすることもあって、持って行き方が難しいですね。
正しいと信じる犬がひとり遠吠えをしている なんて、山月記(あれは虎ですが)のような切ない感じにならないようにしたいものです。
そしてその逆に吠えている人を見かけたら、犬の遠吠えは淋しさのあらわれ なんてことを思い出すのもいいでしょう。
2018年02月13日
酸欠
先日の福井県の大雪で立ち往生した車の中で50代の男性が一酸化炭素中毒とみられる症状で亡くなりました。
一酸化炭素中毒
これって実は酸欠の一種なんですね。
一酸化炭素って、火が燃えているところにはほぼ必ず発生しているもので、濃度1%でも3分で死亡してしまうほどの強い毒性があります。
当然車のエンジンも中でガソリンが燃えているわけなので、微量とはいえ一酸化炭素が発生しています。
雪で覆われて一酸化炭素が車外に逃げずに中毒を起こしてしまったケースで、大雪が降る地方では起こり得る事故です。
一酸化炭素は血中で酸素を体中に運んでいるヘモグロビンに、酸素の200倍も結びつきやすいんですね。
なので、薄い濃度でも優先的に一酸化炭素と結びついた結果、ヘモグロビンが酸素を運ぶことができずに酸素があるのに酸欠!ということになるわけです。
さて酸欠。
あまり知られていませんが、酸欠には知っておくべき3つのポイントがあります。
① 一瞬で昏倒
息を止められる時間と同じくらいは酸素を吸わなくても耐えられそうな気がしてしまいますが、違います。空気中の酸素濃度は21%、血中の酸素濃度は18%なのですが、たとえばここで酸素5%の空気を吸ったら…
「5%しか酸素を取れなかった」ではなく、18%-5%で「血中から13%の酸素が出ていく」のです。
結果、一瞬で昏倒します。
② 息苦しくならない
酸素が足りなければ息苦しくなりそうな気がしますが、実は酸欠の症状って「頭痛」「吐き気」「めまい」など風邪の初期症状に似ていて「息苦しさ」はないのです。
「息苦しさ」は「酸素が足りないから」ではなく、「二酸化炭素が多いから」
現れる症状であって、二酸化炭素が多くない状態(窒素が多いなど)で起きる酸欠では「息苦しくならない」のです。一酸化炭素中毒も「二酸化炭素が多い状態」ではないことが多く、息苦しくない中で酸欠になってしまうんですね。
③ 筋力低下
人が体を動かすために、筋肉でアデノシン三リン酸(ATP)という物質が使われています。そしてこのATPが作られるのに必要な酸素濃度が16%です。作られないので蓄えられているATPが使われるわけなのですが、このATP、もとから筋肉に蓄えられている分では5分程度しかもちません。
言い換えると16%以下の酸素濃度下にいると、力が入らなくなります。
マンホールの中で作業中頭が痛くなり、外に出ようとしたら梯子を登れない。中で倒れている人を見て助けに行った人も昏倒して2人死亡…
そんな事故が過去に何件も起きています。
労災事故の中でも40%越えという圧倒的な死亡率の酸欠事故。
重篤な障がいを残すケースも多いです。
特に初期症状の「めまい、頭痛、吐き気」などに注目し、「ひょっとしたら酸欠かも?」と思えることが大切です。
2018年02月12日
グッドラックドラッグ
ネクサバールという薬がある。
切除や根絶治療が困難、または複数の転移が起きているがん患者に処方される、がん細胞の増殖を抑える働きがある薬だ。
余命3か月の人が余命1年になるとも言われる薬で父も毎日飲んでいるんだが、副作用もきつい。
皮膚症状
手足症候群(55.2%)
発疹(40.7%)
脱毛(36.6%)
消化器症状
下痢(35.2%)
食欲不振(14.5%)
呼吸器症状
嗄声(11.0%)
疲労感(15.9%)
父の場合、下痢と発疹以外はHITしているようだ。
シスプラチンやイレッサなど、抗がん剤は副作用が強いものが多い。
10kgも痩せてうつろにかさついている毛の抜け落ちた父を見ているのはつらいのだけれど、効果のある薬ほど副作用が強い傾向があるのもまた事実で
あれもこれも、闘っている証なのだと思うようにしている。
いつか駅で見た髪のない少女。
彼女もまた闘っていたのだろうか。
祈るのはいつだって、できることがなくなってからにしたいのだけれど、
それでもどうか、たたかう人に幸運を。容易く祈らずにはいられない。
2018年02月09日
艶
豊かな色、と書いて「ツヤ」と読むわけなのですが、デザイン関係の仕事でもしていないとなかなか普段色って意識をすることないと思うのですね。
私的な記憶なんですが、色、というと以前ブラックな職場で数年働いて退職した時のことを思い出します。
いつもは朝の6時に横目で見るだけだった通勤途中の河原。その日は3月、午前中に退職手続きを済ませ、初めてその河原に降りた。
これからどうしようと考える間もなくただただ(終わったんだ)とふらつきながらベンチに座り、うなだれる。
ふと足元を見るとたんぽぽが咲いていた。
(きいろいなぁ)と思った。
ゆっくりと見上げると空と雲。
(あおいなぁ… しろいなぁ…)と思った。
世界はたくさんの色にあふれている。気がつきさえすればそこは、色とりどりの世界なんだ。
(そんなことも、忘れていたのか)
そう気がついた時、初めて涙が出てきた。
自分が、今、ここにいる、ということを意識する
言い換えれば現実を過不足なく認識していくやり方としてマインドフルネスと呼ばれるものがある。
今日が何年何月何日何時何分で今自分が居るのが愛知県のどこなのか、季節は?天気は?年齢は?などなど、自分が置かれた環境をひとつひとつ確認していくものなのだけれど、そんなマインドフルネスの中で「色を意識する」ってとても大切なことなんね。
身の回りの色を意識する。
それが艶やかに見えるほどに「今ここにいる」ことを思い出す。
現実感が乏しい時。忙しさに色々なことを忘れている時。
立ち止まって見渡してみるのはいかがでしょうか。
色、見えてますか?