2017年03月07日
福祉施設はなぜクッキーを焼くのか?
とりあげざるをえない企業で働く障がい者の数が13年連続で過去最高を更新したというニュース。
法定雇用率も現在2.0%まで上がり、亀の歩みではあるものの障がいを抱えながら働ける社会ができつつあるかのようにも見えます。
ですが内情をつぶさに見ると、雇用の形態が不安定な人の割合が多く、重度の障がい者は1人で2人としてカウントされるダブルカウントなどという日本独自のふざけたシステムもあり、まだまだまだまだ道半ば、という感が強いです。
翻って福祉施設を見回してパンやクッキーを焼いている施設の多いこと。
皆が皆パン屋や菓子屋を目指しているのなら良いのですが、果たしてクッキー焼いていてどんな就労支援になるのだろうと思ってしまいます。
仮にも
「就労支援」を目指すのならばクッキー焼いてる場合じゃないだろうと
そうではなくて
「働く場そのものをつくる」ことを目指しているのならば、やはりクッキー焼くばかりが起業ではないだろうと、思うのです。
クッキーってあまり初期費用をかけずに始められることもあって、比較的参入障壁が低いんですね。
おまけに「作業所クッキー」的な市場ができていて、小銭(時給:~200円)を稼ぐにはもってこいの商売ではあります。
でもそればかりというのはおかしい。
結局は福祉を提供する側の都合であり何が支援なのだろうと、
事業所で仕事をすることが「生活のすべ」になっているのはそこで働く職員ばかりじゃないか、と思ってしまうのです。
もちろん事業所の外に出て仕事をする前提のしくみになっていなかったり、事業を新たに始めることに対するインセンティブが少なくリスクばかりが大きくなってしまうといった制度上の問題でもあり、正すべきは福祉職に就く人の意識ばかりではないのですが、このままでいい、とだけは思わないようにしたいものです。
オマエんとこだってたこ焼き焼いてんじゃないか!
とか言われたらまぁそうなんですけどね。