2019年10月16日

就労支援ってご存知ですか?

就労継続支援B型の募集文を書きました。



手を停めて見ていただきありがとうございます。

知立市内を中心に就労継続支援という福祉施設を運営しています、株式会社こもれびと申します。
働くための練習をしながらお金も稼ぐことができる、それが就労継続支援という施設です。

自宅やお近くまでの無料送迎付き、お昼ご飯も食べられます。

家に引きこもっていて外に出られない方
体がだるくてなかなか起き上がれない方
障がいがあって働き先が見つからない方
今すぐ仕事を始めることに不安が強い方 ………

生活のスペースを少しだけ広げてみませんか?

ご家族、ご友人の方からの相談ももちろん歓迎です。
まずはご見学からでも。

こもれび矢内(やない)まで、ご連絡をお待ちしております。

TEL0566-84-5595
FAX0566-84-5596
  


Posted by こもれび屋  at 15:04Comments(0)福祉

2018年03月23日

意思決定支援



障がい福祉になじみのない方はご存じないかと思うのですが、「相談支援員」という職種があります。


例えば介護サービスを受ける時、どんなことをどのように使えば今の困りごとを解消できるか?そもそもどんなサービスがあるのかがわからない方は多いわけです。

そこでどんな組み合わせでサービスを受ければいいのか、どの程度費用がかかるのか、などをケアマネージャーというプロが教えてくれて、ケアプランと呼ばれる計画も組んでくれます。


相談支援員というのはこのケアマネージャーの障がい分野版なんですね。


障がいを持った方がどういった福祉サービスを組み合わせて使用してそれによってどのような生活を目指していくのか



それを本人と一緒に考えて「相談支援計画(サービス等利用計画)」と呼ばれる計画を立てていきます。


ケアプランがないと介護保険サービスが利用できないように、相談支援計画がないと基本障害福祉サービスは利用できない仕組みになっています。(一応セルフプランと呼ばれる計画を自分で立てることも可能です)



さて、先日そんな相談支援員の研修、具体的には「意思決定支援」について学ぶ研修に行かせていただきました。


「意思決定支援」というのは重度の知的障がいの方など、自分の意思を他の人に伝えることが困難な方に対してどのような方法で本人の意思を推し量り支援をしていくのか、ということです。


ポイントは

① 意思能力
自分の好き嫌い(意思)を示すことができるか

② 行為能力
ひとりでその行為の結果を判断して行うことができるかどうか

と、問題を分けて考えることです。



「意思」は全ての人にある。
けれど「暴れる」「叫ぶ」といった形でしかその意思を表現するすべを知らなかったり、自分の殻に閉じこもったり人の顔色をうかがいすぎてその意思を示すことができない状態ではないか。

そしてそういった意思能力と別に「欲しいから」と全財産で羽毛布団を買ってしまってはいないか、とか、食費を切り詰めてまで異性に貢いでいないか、といった「行為」(判断)に対する支援が必要なケースもありえます。



いずれにせよ(この人は自分で判断できないから)と、支援をする側が決めてしまっていないか?

という視点は常に持ち続ける必要があります。




例えば「施設に入れるというような、本人の意思を顧みもしない言いざまを、支援をする側がしてしまってはいないか?



「施設に入れる」

なんて、支援者が言っていい言葉ではありません。

「こういった施設もあります」

といった提案なら言ってもよい。





意思を表現できなくても意思はある。

そしてその意思に最大限配慮をしつつ本人の利益を考える


それが支援者に求められる姿勢というものだと思います。  


Posted by こもれび屋  at 08:52Comments(0)福祉

2018年03月16日

半ケツ無罪



おっぱいだのもろだしだのって記事を書いておいてなんですが、このブログの目的って実は

「世にありがちな障がいへの偏見に警鐘・啓発、ありのままを知ってもらうため」


でして。


と同時に利用者さんや当社支援員に対して知ってるといいんじゃなぁい?という知識を押し付ける研修的な側面もあったりします。(ミマツどこいった)


そんなわけで今日は制度のお話。


「福祉」、と一言でいっても公的なもの、民間のもの、さまざまあるわけなのですが、制度的には大きく「介護保険サービス」「障害福祉サービス」に分けられます。


介護保険サービス

は65歳以上(または加齢の影響の強い特定疾病にかかっている40歳以上)の方が受けられるサービスで、訪問介護やデイサービス、特別養護老人ホームなど様々なものがあります。
介護認定を受けてその度合いごとに1割(収入が多い方は2割)の負担で受けられるサービス量が決まります。


障がい福祉サービス

は障がいを持った方が利用できるサービスです。
就労支援をはじめとした障害福祉だけにある「訓練等給付」というサービスと、介護保険制度上のサービスだけれど障がいを持った方も利用ができる「介護給付」というサービスに大きく分けられます。(他に相談支援事業という枠組みがありますが今回は省きます)



どちらも収入ごとに負担上限があるのですが、ざっくり言うと介護保険制度の方が負担が重いんですね

つまり同じサービスを受けた時でも介護保険で受けた方が自己負担が重い。

そんな格差に対する初の司法判断が下されます。




「重度障害者が人間らしく生きたいと願うのは、許されないことでしょうか」


と、原告の方が言っていますが、正直個人的にはコレ(うーん…)な話なんですよね。




そもそも社会保障制度には「同一のサービスがある場合は保険(ここでは介護保険です)を優先する」という原則があります。


障害者総合支援法にも「介護保険で同様の給付を受けられる時は、自立支援給付を行わない」という趣旨の規定があるんですね。



 確かに重度ということで負担上限の月15,000円掛かるでしょう。今までタダで受けていたサービスに15,000円払うということとなったら嫌でしょうけれど、そもそもが65歳以上で介護が必要な方は皆所得に応じて負担をしている話なわけです。



それを


人間らしく生きたいと願うのは、許されないことでしょうか


なんて人権問題のように持って行くのは違和感を感じますね。



まぁ厚労省も一律で適用せずに柔軟に運用を行うようにと各市町村に通達を出しており、即違憲でした。とはならないと思いますが落としどころが気になるところ。


注目の判決は今日です。
  


Posted by こもれび屋  at 08:31Comments(0)福祉

2018年03月13日

傍観者


先日名古屋のオアシス21で行われた「障害者ワークフェア」という催し物に出展をしてきました。


ALSの支援団体が主催した盲ろう障がい体験コーナーで、視線による文字入力を体験しました。


PCのモニタ上に大きく「あ・か・さ・た・な…」と書いてあって、モニター前に座った人が視線を一点に集中することでその場所に輪っかが現れてそのまま見つめていると輪っかが2~3秒かけて完成して「あ行」が選択されます。

あ行が選択されるとモニタが切り替わり「あ・い・う・え・お」の文字が現れて、それをまた見つめて輪っかを完成させると「あ」1文字の入力が完了します。



視線入力自体はテレビとかで見たことはあって、(こりゃー大変だなぁ)と思ってはいたものの、実際にやってみると「大変」なんて一言で片づけるなんて恐れ多いほどの「修行」のような作業だった。




それでも他に伝える術がない。(文字盤とかもあるのだけれど、人にずっと付いていてもらわなくてはならないし、それでもどうしようもなく時間がかかる)





1分ほどかかって「こんにちは」とだけ打った後、体験を終えた。

どんな障がいでもそうなのだけれど、その当事者でなければ想像もできないほどの苦労や不便さや、時に悲しみや絶望だってある。




支援者と名乗っても、仕事上での接点であり、人生が賭かっていない以上傍観者であり、本当の意味で理解などできないのかもしれない。




けれど理解しようとする姿勢だけはなくさないようにしようと思う。



全身が動かずに、挨拶を伝えるだけで1分もかかってしまう暮らしなんて、想像を絶するのだけれど、

想像しようとすることをやめてはいけないのだと思う。



就労支援って、プールにくっついてる中途半端な梯子みたいなもので、深淵に沈む人を潜って地上にあげることはできない。



それでも今自分にやれるのはこれだな、と思う。



短い梯子でも便利だよ。



ひとりごちて会場を後にした。
  


Posted by こもれび屋  at 08:54Comments(0)福祉

2018年02月08日

介護福祉士になりたい方へ

介護福祉士を希望する人が減っているそうで、国も危機感を持っているのですね。



修学資金貸付制度というお得なしくみがあります。

介護福祉士は実務経験なしで資格を取得しようと考えた時には

大体介護福祉士の専門学校が普通科の高校を卒業した人は2年以上
福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業した人は1年以上

の養成学校に通う必要があるのですが、その養成学校に入学する際に20万円、通学期間中に毎月5万円、卒業する際に20万円(就職準備金)を受けられるという制度。


しかも他の業界に就職すると返済しなければいけませんが、国家資格を取って現場で5年以上働けば全く返さなくていい、というオトクっぷり。
2年間通ったら20万+5万×24ヵ月+20万で160万円!



これから進路を考える方は一考の余地があるかと思います。
  


Posted by こもれび屋  at 08:21Comments(0)福祉

2018年02月07日

障害支援区分



福祉、と一言で言っても高齢者施設と障がい福祉施設、はたまた児童福祉施設や生活保護関連の施設など様々で、お互いの分野のことはさっぱりわからないなんてことも。


当社は障がい福祉、その中でも主に就労支援をしているわけなんですが、「福祉」というとやっぱり高齢者福祉が規模としては大きくって介護保険制度というものがどんと中心に位置しているんですね。


そんなわけで介護保険制度というものは避けて通れないんですが、実はこの介護保険の施設、お年寄りでなくても使えるのです。



というわけで本日の話、障害支援区分



基本的には介護保険制度って65歳以上での利用を想定しているんですけれど、介護保険料が40歳から天引きになる事からも分かるとおり、介護保険制度は特定疾病と呼ばれる「加齢による疾患」で介護認定を受けたのならば40歳からでも利用が可能です。
(※難病の範囲にある疾病である「特定疾患」と混同しがちなので注意。テスト出るよ)


けれど、ホ-ムヘルパ-やショ-トステイといった介護福祉を必要としている方は高齢者や加齢による疾患を抱えている人ばかりではないわけです。
車椅子の方だって家事援助が必要だったり、行動援護が必要だったりと介助は必要です。

そんなときに「障害支援区分」という要介護認定の障害バ-ジョンのような認定を受ければ40歳前だろうと特定疾病でなかろうと介護系のサ-ビスを1割負担で利用できるんですね。



しかもここポイントなんですが、介護サ-ビスが世帯収入で自己負担上限額が決まるのと違って障がい福祉サ-ビスは本人と配偶者の収入(前年度の市民税支払い額)で自己負担上限が決まるので、単身で仕事が難しい方ならほぼ自己負担なしで利用出来るのです。


しかも介護保険が市区町村民税非課税市区町村民税を誰も課税していない世帯でも上限額が 24,600円/世帯なのに対して 障害福祉サ-ビスの負担上限は課税世帯でも9,300円(一部高収入の方は37,200円)、夫婦とも非課税なら自己負担ゼロで利用できます。


だから使おう!



っていう性質のもんでもないですが、あったらいいのに知らなきゃ損 というわけで、ご相談等ありましたらこもれび矢内までお待ちしております。

  


Posted by こもれび屋  at 08:20Comments(0)福祉

2018年02月05日

賭博黙示録カイゴ



世の中には嫉妬してしまうほどいいアイデアというものは時折あるものですが、またひとつご紹介。



カンブリア宮殿という番組で取り上げられたのでご存知の方も多いかと思いますが愛知県は一宮市に「たんぽぽデイサービス」という高齢者施設があります。


一般的なデイサービスが30名ほどのところ毎日250人もの高齢者が訪れるこの施設。

施設の中で「シード」と呼ばれる疑似通貨を発行し、流通させています。

そして「施設の中を一周歩くと100シード」とか「自分で髭剃りをしたら200シード」というようにリハビリをすることで通過を稼ぎ、コーヒーやお菓子、ゲームなどに使用できるという仕組みを取り入れています。


利用者さんは通貨を稼ぐというモチベーションを持ってリハビリに取り組める。シードを数えることで指先の機能訓練に、計算をすることで頭の体操に、職員はリハビリを利用者さんが自ら取り組んでくれるのでその分余裕ができる、といいことづくめ。


(素晴らしいなぁ)


と思っていたのですが、こんなナイスアイデアに対しても

「税金を使って高齢者を遊ばせるとは何事だ!」

とクレームを入れる方もいるそうで……



きっと苦労されてきたんでしょうね。

「あそび」=「悪」

とか

「お金は苦労して稼ぐべきものなのだ」


という考えの方って時折見かけます。



楽しくってリハビリにもなる



こんないいことないのにね。  


Posted by こもれび屋  at 08:17Comments(0)福祉

2017年12月20日

ある青年の死

記事にまとめる暇がないけれど載せておきたい。

ハートネットTVで「ある青年の死」という番組が放映されました。

こちらの記事が紹介として素晴らしいのであげておきます。




たとえば「骨折してギブスをしている」「糖尿病で定期的に通院し、毎日インシュリン注射をしている」という状態の人々に対して、骨折や糖尿病が「その人」そのものになってしまったとは、通常考えられないでしょう。しかし精神障害・精神疾患では、病気が「その人」そのものになってしまったかのような受け止め方が、未だに一般的です。なぜでしょう?



以前精神科病院に研修に行った話でも書いたのだけれど、日本の精神科医療はまだまだ人権侵害がまかり通っていて、この事件はその一端が現れたものなのだと思う。


人手がない

薬が効かない

だから仕方がない


そこで止まってしまうことだけは避けたい。


まずは少しでも多くの人に知っていってほしいと思う。

この病とそれを取り巻く日本の現状を。  


Posted by こもれび屋  at 08:49Comments(0)福祉

2017年11月09日

そこにいて、そばにいて



貧困家庭について書かれた記事を読んで思うところがあったのでひとつ。

特に

「同じ貧困家庭の子でも、けなげに頑張る子は応援してもらえるけど、ヤンチャな子はメディアに取り上げてもらえないですよね。貧困に限らず、『子ども観』の問題なんだと思います」

 「例えば不登校でも、リストカットするような子が学校に来たら大人は『よく来たね!』って喜ぶけど、ゲーセンばっかり行ってるヤンチャな子が私服で学校に来たら『帰れ!』って言うんですよ」


という部分がささった。



日々フクシの仕事をしているわけだけれど、愛嬌のある人、頭のいい人、かっこいい人、けなげな人・・・・そういった「容易く力になりたい、と思える人」もいれば、そういった とりえ のようなものがなかなか見いだせない人もいる。

もちろんそこに支援者として差をつけることのないようにとは思うのだが100%同じように接することができてはいないかもしれないと思う。



もうずっと以前に親戚と

「お金があったり、容姿に恵まれていたり、やさしかったり、力があったり、賢かったり、誠実だったり、そういった魅力のある相手にやさしくすることは簡単だ。
けれど、貧しく、美しくもなく、意地悪で、不真面目で、怒りっぽくて・・・そういった、何も持っていない人にやさしくすることは難しい。」

そんな話をしたことがある。



返ってきた答えは


「かわいくもなく、マジメでもなくて、キレやすくて、卑怯で、そんな人にやさしくする必要がそもそもあるの?」



だった。



けれど、そういった、なにももっていない人こそ助けを必要としていると思うのだ。



なにかをあげちゃおう!とか、与えてやろう!とか、おこがましいことは思えないけれど、

まずはそこに居て、そばに居て、楽しく過ごす時間がそこにあるといいな、と、思っている。


  


Posted by こもれび屋  at 08:20Comments(0)福祉

2017年09月27日

自分を変えられない苦悩



うつについて東京医療学院大学の教授が書いたコラムが印象深かったのでご紹介。


特に


だから、うつとその患者について「遺(のこ)される者に済まないと思うなら、踏みとどまる望みもある。死ぬ覚悟を転じればいくらでも出直せるはずだ」などと書いた朝日新聞のコラム「天声人語」(2013年1月22日付)は、うつへの理解も情けもない暴論である。それが「天の声」のはずがない。悩む心や考え方を変えたいと一番願っているのは本人である。それができない苦悩を理解しなければ人を救うことはできない。



というあたり、「健康な側からの感覚」で共感どころか理解すらないままに言葉をふるっていないか「天声人語」になってしまっていないかを常に振り返る必要がある。




自分を疑わずに思ったことをそのまま口にすることは楽なことだ。



でもそれは、理解からは遠い。

ましてや共感からなどほど遠い。
  


Posted by こもれび屋  at 08:48Comments(2)福祉