2018年02月15日
因果応報
心理学の定義に 公正世界仮説 というものがあります。
これは人が世界は公正なものだと信じる気持ちのことで、この気持ちが強い人ほど主観的幸福感(自分がどれだけ幸せだと思っているか)や、未来志向性(目標を決めたりそれに向けて努力できる度合い)が高いことがわかっています。
この世界は公正で、それが今後も続いていくと信じられる=「未来を信じられる」人ほど努力ができるし、今を安心して享受できる(幸福感が高くなる)、ということですね。
素晴らしいね。
公正な世界を信じられる方がいいね。
と思ってしまいますがいいことばかりではありません。
世界は公正なものだと信じる
「世界」という自分の周りの世界を「公正」であると信じる
この理不尽な世界を公正であると信じる。
それは言い換えれば自身の価値観による判断で「世界は公正であるべきだ」と思ったり、公正でない世界を認めないことでもあります。
現実には理不尽な事柄はたくさんあります。
理由もなくいじめられたり、通り魔に会ったり
公正世界仮説を強く信じている人は、(いじめられる方にも原因があるんじゃないの?)とか(隙があったから襲われたんじゃないの?)というように公正でない=理不尽な出来事を認めずに、それに理由をつける傾向があるのです。
その結果、
理不尽な事柄を肯定して自分自身が理不尽な存在になってしまう
障がいを持った人に対しても自業自得のような言い方をする人、残念なことに存在します。
本当に因果応報を信じたいのなら
本当に公正な世界を信じたいのなら
自分自身が理不尽な存在にならないようにまず心がけたいなと思います。